心身症とは
日本小児心身医学会では、「子どもの心身症」とは「子どもの身体症状を示す病態のうち、その発症や経過に心理社会的因子が関与するすべてのものをいう。それには、発達・行動上の問題や精神症状を伴うこともある。」と定義しています。(日本小児心身医学会、2014)
すなわち、心身症とは心理社会的因子が関与する身体の病気であり、実際に血圧の検査で異常があったり、下痢をするなど、本当に身体症状として異常が出ることです。身体症状があり、それを治療する時に、その症状を起こした、あるいは増強したとして心理社会的要因を考慮する必要がある時に、それを心身症といいます。
小児心身症の発症にはいくつかの共通の要因があります。年齢、性別、発達や心理社会的要因に対する本人の感受性などがあります。例えば、学校で友達とトラブルがあったときでも、人間関係で緊張しやすかったり、失敗することを心配し過ぎたり、いい子でいようとして過剰適応の傾向があったりする心理社会的要因に対する感受性が高いお子さんは、悩んでしまい、身体症状として頭痛や腹痛、あるいは朝起きにくい、全身倦怠感、疲労感などの症状がでるのです。またその心理社会的要因の程度が強く期間が長いほど、心身症を発症しやすくなります。
子どもの場合はストレスを自覚しにくく、また大人と違いストレス耐性が弱いという特徴があるため、適切な対応が求められます。出来るだけ早期に、適切な対応をすることが重要になります。