発達障がい
「お家では落ち着いているのに、幼稚園でみんなの中に入ると落ち着きがなくなって驚きました」、「幼稚園の絵本の時間に教室から飛び出てしまう」、あるいは「小学生になってから、忘れ物が多くて、友達との揉め事が多い」などなど、、、。一見何ともないように思えるけれど、集団に入ると落ち着きがなくなったり、トラブルが増えるということが多い場合、自閉症スペクトラム障がいや注意欠陥多動性障がいなどを疑います。
この二つの個性について少し詳しく説明しましょう。
自閉症スペクトラム障がい
代表的な特性は大きく分けて2つあります
1.マイペースでコミュニケーションが上手くとれない
- 人と目を合わせにくい
- 相手の表情から気持ちを読み取れない
- 冗談や皮肉がわからない
- 会話がずれがち
- むずかしい言葉、漢字表現、英語表現を好む
2.柔軟性に乏しく、繰り返しを好み、変化が苦手
- 言われた言葉をそのまま繰り返す(おうむ返し)
- 同じ食材や同じ服にこだわる
- 決まった道順や順序にこだわる
- 小さな変化や予定の変更にこだわる
- 特定の音や触感に敏感
- 手先が不器用なことがある
などが、主要な症状です。このような特性は3歳くらいにはあらわれますが、小学校高学年や中学になってから気付かれるときもあります。出来るだけ早く気付いて適切な対応をすることが大切です。
注意欠陥多動性障がい
3つの主要症状があります
- 多動性
- 衝動性
- 不注意
具体的に言うと、
- 落ち着きがない、じっとしてない
- 外からの刺激によって容易に注意をそらされる
- 綿密に注意することができない
- 飽きっぽい
- 順番を守れない
- 質問が終わる前に答える
- 集中力が続かない
- 忘れ物が多い
などがあります。今、やるべきことよりも、今、やりたいことを選んでしまう傾向があります。
こんな症状のため、周囲から怒られることが多くなりがちです。
まずは周囲の理解を得て、それから症状の強さによって薬の内服をします。
当院では、こんな症状があるとき、お子様との対話やお母様からの聞き取り、幼稚園や学校での生活の聞き取りを行い、発達検査を行います。発達検査は年齢によって2種類を行っています。小学校就学前までの年齢は新版K式という言葉の発達や理解、運動能力の程度を調べる検査です。小学校から中学まではWISC4という知能の水準、バランスを調べる検査をします。こうしてお子様の発達状況を把握し、日常生活で困っていることにアドバイスをしながらお母様と一緒にお子様の成長をみていきます。そしてお子様が社会生活において辛い思いをしないようにサポートしていきます。